Yes,andとは、相手の提案に対して肯定し(Yes)自分も参加する(and)という演劇(インプロ)の基本原則。
お互いに他者を肯定し合うこの考え方は舞台の上だけでなく日常のコミュニケーションにおいても大切です。
ワークショップを通して他者といっしょに物事を作り上げる楽しさや嬉しさを体験してみませんか?
演劇ワークショップといっても台本を読んだり演技をするわけではありません。演劇のトレーニングで使われるシアターゲーム通して、率直で柔軟な思考と積極的なコミュニケーションを体得していきます。
Yes,andワークショップでは「考えない」ことに重きを置きます。現代社会では考えなければならないことがとても多く、思考にがんじがらめにされてしまうことが多いと思います。何を言えばいいのか、何を言ってはいけないのか、どうすれば好かれるのか、相手を怒らせないのか……「どうすれば」という思考はつまり「正解を求めている」ということでもあります。正解を求める思考から一旦離れて、相手とただコミュニケーションをとってみる。「私」だけではなく「私とあなた」のあいだで生まれるものを大切にしてみる。肩の力をぬいて考えずに、他者からの影響を受けてその影響を素直に相手に返してみる。それこそがこのワークショップの中核です。
・コミュニケーションに苦手意識がある方
・社会生活のなかで決まった人としか顔を合わせない方
・最近あんまり笑ってないなぁと思っている方
・雑談が苦手な方
・言葉がうまく出てこない方
・よく誤解されてしまう方
・人前に出るのが苦手な方
・頭がかたいと思っている方
・ストレス発散したい方
・他者を許容できるようになりたい方
・新しいことにチャレンジしたい方
・他者の気持ちを汲み取ることが苦手な方
・自分の気持ちがよくわからない方
当ワークショップは天然工房ワークショップの理論を下敷きにしています。以下の3原則は天然工房で教わる演技の基本概念なのですが、日常のコミュニケーションにも応用できます。それぞれ曖昧な表現なので言葉だけで理解するのは難しいと思いますので、トレーニングをしながら以下の3つの状態を少しずつ体感していきましょう!
他者に影響を与え、他者から影響を受けられる状態になること。日常生活では影響を受けないように自分を閉じていることが多いので、自分の心と体を開き積極的に影響を受けに行く。
「いっしょにやっている」という感覚を持つ。コミュニケーションは常に双方向性があり、自分ひとりではできないもの。自分ひとりでどんなに上手に課題をクリアしても意味がない。他者といっしょにやることに重きを置く。
相手がコミュニケーションを取りやすいように行動する。相手の受け取りやすいボールを投げる。なにが相手のためになるのかは状況次第で変わるので「こうすればいい」という正解はない。常に相手のためを意識する。
トレーニングを行う際の心構えをご紹介します。心理的安全性を確保したうえで良いトレーニングを行うために意識してほしい3点です。
すべてをしっかり意識することはとても難しいので、あくまで心がけ程度に考えてください。心の片隅に置いておく注意書きです。
1,「判断しない」
ワークショップ中の発言や行動によってその人の人間性を判断しない。心を開いてトレーニングをすると自分でも思いもよらない言葉がでてきたりする。出てきた言葉を肯定するために、お互いに「判断しない」という約束をする。また、自分に対して「私はこういうキャラだからこんなことできない」など自分への判断もしない。感じたことはすべて出していい。
2,「失敗を歓迎する」
失敗を恐れないのではなくむしろ歓迎する。失敗したら喜ぶ。現代社会における「失敗してはならない」という呪いはとても強い。その呪いを少しでも弱めるためにどんどん失敗を繰り返す。
3,「期待しない」
「みんなを笑わせたい」「すごいと思われたい」「かっこよくやりたい」など自分への期待をしない。期待するということは自分の意識が過去や未来に囚われているということ。過去の良かったこと、まだ見ぬ未来の不安はいったん忘れて、今この瞬間に感じたことだけに集中する。
あっち向いてホイの掛け声の「じゃんけん」と「あっちむいて」を無くし「ポイ」「ホイ」だけであっち向いてホイをやる。
通常のあっち向いてホイと違い、指を避けるのではなく相手が指さした方に向く。
【目的】
指さす方はしっかり相手に方向を伝える(影響を与える)。指さされる方は自分が向きたい方に向くのではなく相手にゆだねる(影響を受ける)。
エネルギーを出す、いっしょになる、相手のために、という3つの原則すべてがつまった大切なトレーニング。
林 拓郎(はやしたくろう)
2002年、高校卒業後に劇団天然工房に所属
俳優として多数の舞台に出演しながら脚本・演出の手伝いをする。
2009年、舞台制作会社J-Stage Naviに入社。
舞台制作をしながら個人として脚本、演出も行う。
2012年、J-Stage Naviを退社後、フリーの制作者として活動。
2018年より、就労移行施設にて障害がある方を対象に演劇のトレーニングを取り入れたコミュニケーションレッスンを行っている。
2023年2月には一般社団法人社会福祉支援研究機構による「繋がってるよ!笑顔になろうよ!」プロジェクトのzoom講座も開催。
2024年現在、千葉県内就労移行施設で月15コマ以上の講座を開催。
不定期で「Yes,and」体験演劇ワークショップを開催中。
アンジュルムが好き。